目覚まし時計 2013 6 22
2013年6月9日に書評で、
「元素図鑑」(KKベストセラーズ)を取り上げましたが、
この本を読んで、昔の目覚まし時計を思い出しました。
子供の頃、私は朝寝坊だったので、
目覚まし時計を、枕元どころか、
いつも耳元において寝たものでした。
当時の目覚まし時計は、
室内が暗くなると、文字盤が光るのです。
つまり、蛍光色に発光するのです。
だから、夜中に目が覚めても、
「今、何時か」は、すぐにわかったのです。
さて、なぜ、時計の文字盤が発光していたのか。
「元素図鑑」から引用しましょう。
「プロメチウム かつては夜光塗料の原料も・・・」
プロメチウムは、安定同位体を持たず、
放射性同位体しか存在しない。
つまり、安定な元素はなく、すべて放射壊変する元素だ。
(プロメチウムから)放射されるβ線によって、
硫化亜鉛が発光する現象を利用して、
時計の文字盤などを光らさせる夜光塗料の材料として活用された。
(引用、以上)
昔は、身近なところで、放射性物質が利用されていました。
私は、長年、夜光塗料の目覚まし時計を愛用していましたが、
今では、目覚まし時計といえば、電波時計になってしまいました。
残念なことに、今では、
夜光塗料の目覚まし時計は売っていません。
元素ブーム 2013 6 9
書名 元素図鑑
著者 中井 泉 ベスト新書 KKベストセラーズ
世の中、元素ブームである。
実は、大型書店に行けば、
元素に関する本が数多く出版されていることに気づくでしょう。
入門書から専門書まで数多く、
なかには、カードゲームのような入門書や、
占い(?)のような入門書まであります。
実に、世の中、変わったものです。
私が、元素の本を紹介した時は、
値段の安い本がなかったのです。
唯一、「図解雑学 元素」(富永裕久著)が、1500円でした。
この本は、当時(2006年)、
「元素に関する本で、こんなに安い本がある」という驚きで紹介したのです。
その当時、元素に関する本といえば、
「元素を知る事典」(村上雅人編)は、3000円、
「元素の事典」(馬淵久夫編)は、7800円、
「元素の百科事典」(John Emsley著)は、15000円という状態でした。
あれから、7年。
世の中、変われば変わるものですね。
元素に関して、数多くの本が出版されるとは、予想もできませんでした。
それでも、元素の図鑑となると、
美しい写真を使うので、本の値段が高額なものになっていましたが、
この本は、なんと1000円です。
この値段ならば、学生でも気楽に買うことができるでしょう。
そもそも、学校の授業で、
「H、He、Li、Be、B、C、N、O、F、Ne・・・・・」などと教えると、
99%の人が、化学を嫌いになってしまいます。
まず、元素を覚えるならば、美しい写真から入りましょう。
写真で元素を覚えれば、忘れません。
文字で元素を覚えれば、翌日には忘れて、テストで悪い点数となってしまいます。
さらに、写真だけでなく、
「金より高価なFe(鉄)が存在した!
古代人はK(野菜)でガラスを作る?」と言えば、
生徒たちは、すぐ食いついてきて、
化学が「白熱の授業」となるでしょう。
要するに、学校での「教え方」が下手なので、
化学が嫌いになってしまう生徒が多いのですが、
教え方によっては、テレビやゲームよりも、おもしろい化学の授業となります。
生徒や学生が、ケータイやゲームをやめて、化学に夢中となる。
そんな授業も、あり得るのです。
10代という若者は、最も好奇心が強い世代です。
学校の先生は、真面目な人が多いので、
授業の内容も真面目なものになりますが、
生徒から見れば、退屈で、つまらないものとなります。
しかし、教え方を工夫すれば、白熱の授業となり、
生徒から「もう授業は終わり?。延長授業してほしい」と言われるでしょう。
かつて、私が生徒だったころ、
誰かが、「Philadelphiaは、なんて発音するのですか」と、先生に聞いたら、
先生は、黒板に、「古豆腐屋」と書いたのです。
みんな、発音記号を書くものと思っていたら、漢字だったので、
最初は驚き、次は爆笑となってしまいました。
生徒だった私は、「ゲームよりも楽しい英語の授業」と思っていました。